本日、工務店と工事請負契約についての打ち合わせをしました。若干見積りの内訳を調整し契約書の作成を依頼、最終的な契約工事金額は3333万円です。ただこれが工事金額全てではなく、別途工事にした部分もあります。何を別途にしたかはまた後日に。
それに伴い地鎮祭の日にちも決定、2月11日になりました。いよいよ建築工事が動き出します。 只今建築確認申請の準備をしていますが、ココおがせ団地は重点風景地区「おがせ池地区」になっています。平成20年8月に各務原市が告示したもので、そのための申請を確認申請とは別にしなくてはいけません。 ![]() ![]() 屋根の形状や建築の色、緑化等について指導されます。下の画像をクリックすると大きな画像で内容を確認できます。今回の敷地は「おがせ池地区」の中の「市街地地区」になりますので、その地区の内容のみ抜粋しています。 ![]() それ程厳しい基準があるわけではなく、あまりに奇抜な建築は景観にそぐわないから建てちゃ駄目って話ですね。つまり最近話題になってる「まことちゃんハウス」は「おがせ池地区」では建てられないという事です。 ところでこの「おがせ池地区」の冊子、景観うんぬんいうならもうちょっとセンスあるデザインの冊子を作れよって思います。ダサいよ...。 |
過去の記事【No.012__2009年01月27日 申請】で紹介した重点風景地区「おがせ池地区」、今は無事に許可がおりてますが、実は非常に申請は苦労しました。
冊子の指導内容を理解する限り、何も問題なく許可はおりるだろうと考えてましたが...申請書類を各務原市・都市計画課景観政策室に提出したら、予想外の指摘を受けました。 ![]() 屋根の項目の「勾配屋根を原則とする。」という指導内容です。 ●「ほんの一部、陸屋根(上の絵の×の建物の屋根形状です)はあるけど、原則勾配屋根とあるし問題ない。」 と考えてましたが・・ ●「2寸勾配以下の屋根は、勾配屋根とは認めません。」 なんて全く予想外の指摘。今回の建築の屋根勾配はいろいろあり、2寸勾配もありますが1.5寸勾配と緩い勾配、1寸勾配やすごく緩い0.5寸勾配の個所もあります。 ●「ちょっと待って。そんな事、風景形成基準のどこにも書いてないでしょ。」 と反論しましたが、 ●「内規です。」 ●「・・・。」 ●「そんな内規、おかしいと思いませんか?例えば1.5寸勾配の緩い屋根でも陸屋根とは違うでしょ。どう考えたって勾配屋根でしょ。」 ●「決まった事なんで...。」 ●「こちらは風景形成基準を理解したうえで計画しました。なのに内規でダメだと言われても困るし、そもそもその内規は納得出来ません。」 ●「ただ2寸勾配以上の屋根が全体の50%以上あれば、許可出来るという内規もあります。」 ●「なんだ・・なら問題ないかもね。2寸勾配の屋根面積は結構あるし。」 と思って計算してみると...50%無かった。。 ●「決められた事なので、基準に合うようお願いします。」 の一点張りだったので、これ以上何言っても無理だな、と思いその日は諦めて帰りました。 ![]() 【断面図です】 見積は既に終えているし屋根勾配を変更するなんて考えられなかったので、何とか出来ないものかと試行錯誤。もし基準に合うようにするなら寝室上部に一部かかっている1寸勾配の屋根を2寸に変更すれば、ほんの少し2寸勾配以上の屋根面積が足らなかっただけなのでクリア出来ました。しかしそれでは ・寝室の天井高が2mとえらく低くなる ・寝室からバルコニーに出るサッシの高さが1m60cmとえらく低くなる ・雨仕舞が悪くなる という問題がありました。やはり基準は素直に受け入れられません。 考えてみると、そもそもこの基準は「おがせ池の風景を守りましょう」という各務原市の景観の取り組みです。それがこの建築は「景観にそぐわない建物」と判断をされたわけです。結果論では「まことちゃんハウス」と同類と判断されたわけです。ありえない・・。 申請図面は屋根伏図と立面図だけですが、それだけでは建築形状は分かり辛いので ●「よし、パースを見せて理解してもらう。」 と決めました。持って行ったそのパースは↓これです。 ![]() 過去の記事【No.006__2008年12月31日 建築計画・CGパース】で紹介したCGパースとは仕上げや色が違います。建築形状は実際と少し違いますが、仕上げや色はこんな感じにしようと考えています。 そして市役所の景観政策室に再度相談へ。パースを見せて、 ●「このような建築になります。これ、景観にそぐわない建築だと思いますか?」 ●「左側の屋根は1.5寸勾配です。これが陸屋根に見えますか?」 ●「前面に木の格子を多く配して景観に配慮しましたが、許可出来ない建築だと思いますか?」 とまぁクレーマーみたいでこちらも正直嫌な思いでしたが、でも景観に対して不適合な建築だとは絶対に思わなかったので根気よく交渉しました。 しかし役所ですので仕方がありません。感覚ではなく数値で判断するのが役所です。パースを見せたくらいでは無理でした。当たり前ですね。。でも ●「このパースを貸していただけますか。もういちどこちらで検討します。」との返事。 ●「なんとか落とし所を見つけてくれ。。」 と願いながら帰りました。 数日後、 ●「許可しますので、お越し下さい。」と連絡がありました。 ●「良かった〜」 以前交渉で、 ●「玄関へのアプローチ(建築前面の格子部分)に屋根(0.5寸勾配の不適合屋根)がありますが、ここは外構ですしこの部分の屋根は勾配屋根の基準に含めないと考えられませんか?」という問いに ●「屋根全体の話ですから。無理です。」と答えられましたが、結果的にそこが考慮されました。この部分は建築本体ではないですし、建築本体と切り離されて自立した外構なので、勾配屋根の基準から除いて良いと判断されました。良い落とし所で決着がつきました。 この部分が除かれて2寸勾配以上の屋根は50%以上となり、晴れて重点風景地区の許可がおりました。 簡単に書くとこんな流れの話し合いでしたが、他にも屋根についての話し合いはいろいろとありました。本来なら最初の指導に従うところでしょうが、何回も通って相談して良かったです。 おがせ池周辺の眺望景観の保全という重点風景地区の主旨には私も賛成です。ただ景観なだけに数値にこだわった運用は本来の主旨とは違ってくるような気がします。(実際に建築形状のスケッチを示して考えてもらいました。)数値はあくまで目安として、景観に配慮された建築かどうかは案件ごとに適切に判断した方がいいと思います。 何度も相談にのっていただいた景観政策室の方々、ありがとうございました。 建築確認申請の方は、特に問題もなくスムーズに終えています。 |
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